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軽油生成藻類を利用したバイオ燃料製造プロセスの開発

2014.04.07

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藻バイオマス燃料は、化石資源の度重なる価格高騰や地球温暖化等を背景に、次世代を担う再生可能エネルギー資源として注目されている。ジャガイモやコーンといった作物をバイオ燃料のソースとして使用する場合、バイオ燃料生産が拡大するに伴って飼料や食料品が高騰することから、食糧生産と燃料生産が競合しない新たなバイオ燃料生産プロセスの普及が求められている。
緑藻類は、陸地の他に海洋でも増殖可能であり、植物の10倍の光合成能力、極めて早い増殖速度等の特徴を持っており、食糧生産と競合しないバイオ燃料として注目されている。これまで多くの研究者によって緑藻類によるバイオ燃料生産が試みられており、レースウェイポンドやバイオリアクター等による実規模プラントも見られるようになっている。
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藻バイオ燃料は4段階のプロセス(培養、分離、分解・抽出、生成)を経て生産されるが、藻体を培養液から分離する際のコストが高いことが、実用を阻む高い障壁となっている。
藻体の分離には4種類の固液分離プロセスが用いられる。静置沈殿は、藻体の沈殿速度が極めて遅いために適用が不可能である。遠心分離は、連続プロセスでの使用が困難であること、および藻体の濃度が低いことから単位処理流量あたりのコストが非常に高額になることが明らかになっている。凝集沈殿は、藻体に有害なAlを添加するため、培地の再利用が困難であり、かつ藻体による凝集阻害により処理効率が極めて悪いため、安定した処理は困難であると予想される。
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近年、新しい固液分離プロセスとして膜ろ過法が注目されている。膜ろ過法は薬品を注入することなく(液の性状を変化させることなく)、細孔によって精密に大小の溶質を篩い分けられることから、食品、医薬、上下水道の分野において盛んに導入されている。膜分離は濃度が薄いほど高い性能が発揮されることから、比較的濃度が低い藻培養液のろ過に適している。また、藻細胞にとって有害となるAlを添加する必要がないことから、膜を透過した培地を再度培養に使用することも可能となる。膜を利用して大量の藻培養液を効率的にろ過・分離出来れば、安価で効率的なバイオ燃料生成プロセスを確立できるものと考える。
一方で、膜が目詰まりを起こすことで著しく透過性能を減少させるファウリングが実用を阻む問題となる。上水処理で膜を使用した際には、膜の純粋透過性能の1/10までファウリングによって透過性能が低下する報告例も存在する。

(担当:松本、後藤)


(1)直接顕微鏡観察による軽油生成微細藻類の分離回収プロセスの最適化

2014.04.07

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膜ファウリングには、逆圧洗浄や空気洗浄等の物理洗浄で容易に解消できる”可逆的な目詰まり”と薬品洗浄で解消できる”不可逆的な目詰まり”の二種類が存在する。本研究では、藻培養液膜ろ過中の膜表面をマイクロスコープ(デジタル顕微鏡)によって膜表面に微細藻類が堆積・剥離する様子を観察し、画像解析することで、膜面に堆積する微細藻類を効率的に剥離するための洗浄条件を探索した。

(2)微細藻類の株種が回収性に及ぼす影響

2014.04.07

本研究で着目している微細藻類は、大きくはPseudoに分類されるが、細かく見ると数種類にさらに分類することが出来る。我々の研究グループでは、3種類の株を有しており、これらの株は遺伝的には99%以上一致しているにもかかわらず、細胞外に代謝する成分の量や質は全くことなることがこれまでの検討により明らかになっている。本研究では、これらの異なる株について膜ろ過試験を実施し、どのような特徴を有する株が主に膜ファウリングに寄与するのかについて、ベンチスケール規模での検討を実施した。

Takaki Matsumoto, Hiroshi Yamamura et al., Water Science and Technology, 2014

(3)コンタミネーションが膜ろ過による回収に及ぼす影響

2014.04.07

膜ろ過法を用いた分離プロセスの研究は、ラボスケールでの無菌条件下で培養した藻培養液での評価が多い。その一方で、実用化規模の培養施設は、大量培養に伴う培養施設の大規模化によって、無菌的に藻類を培養することは不可能であり、コンタミネーションは避けられない環境下にある。しかしながら、既存の研究では、コンタミネーションを許容する開放系での培養条件が藻培養液に与える影響は評価されていない。
そのため、膜ろ過法による固液分離プロセスを視野に入れ、無菌条件(閉鎖系)とコンタミネーションを許容する条件(開放系)による培養条件の違いが培養液に与える影響を明らかし、その培養液性状の違いが膜ろ過に与える影響を明らかにした。

Hiroshi Yamamura, Takaki Matsumoto,

(4)2段ろ過システムによる高油脂蓄積微細藻類の回収技術の開発

2015.10.01

(5)ろ過・沈殿法による高油脂蓄積微細藻類の高フラックス・高回収率・低ファウリング回収技術の開発

2015.03.10